人の体は暑いと汗をかいて温度調節をするようにできています。実際、汗ばむ程度の
夏日から真夏日、猛暑日に至るまで、5月5日の立夏から9月25日の彼岸明けぐらい
まで、多少にかかわらずほぼ毎日汗をかいています。しかも冷房で汗を人為的に抑え
ていることもあり、次第に汗をかいて体温調節する働きにも疲れの色が見えてきま
す。元気なら汗が気持ち良く出るはずの暑さなのに、じっとりと肌にからみつくような
嫌な汗に変わってきたら、それは夏バテです。
夏バテになると食欲も落ちますし、全身がだるく、気力もなくなり、暑さでイライラ
してきます。そのような時、試しに「山陰交(さんいんこう)」を押してみて下さい。痛みやだるさを感
じ、力なく皮膚の戻りが悪いようでしたら、エネルギー不足が「出すべきものが出せ
ない」レベルに達しているサインです。暑くて水をたくさん飲んでいるわりに、おしっこが出ない、足がむくんでいるなど、出せなくなるのは汗だけではありません。しか
も水分代謝がわるくなると、余分な熱も出せず暑さがこもってつらくなります。
夏バテに良い食材といえば、土用の丑の日にいただくウナギです。ウナギは「出すべ
きものを出す」ためのエネルギー補給に最適です。生薬では牛黄(ごおう)の開きょう作用が「出すべきものを出す」お手伝いをしてくれます。今年の土用の丑の日7月25日です。ウナギとともに牛黄のことも思い出していただきたいものです。